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超こじゃれた恋愛映画『ポルト』はダサい人が観ても大丈夫そうだよ!

 

まずこちらの予告編を観ていただきたい。

9月30日公開予定の映画『ポルト』のものだ。

 

 

 

 

オシャレだ。そしてクール。

すっぴん・Tシャツ・ジーパンなのにどっからどうみても垢ぬけている、そんな美女みたいだ。

 

ヨーロッパのクラシックな街を舞台に、ふと出会った美男美女が刹那的な恋に翻弄される・・・

 

しょっぱな数秒でそんなストーリーを連想した私は、映画館でこの予告編が流れたときは薄目でやりすごした。

 

映画は好き嫌いせず観ることを心掛けているし、そのおかげで思わぬ傑作に出会えたこともある。

 

が、オシャレ・クール・ラブロマンスと3拍子そろってしまったら、さすがにちょっと・・・

 

こんなこじゃれた映画、ダサい女なんて蚊帳の外だと、フライヤーをもらう気にもならなかった。

 

 

 

ところが、である。

何気なく映画公式サイトのストーリーを読んだ私は、愕然とした。

 

この映画はオシャレかつクールなラブロマンスでありながら、その実、非常にダサいラブロマンスでもあるのだ。

 

 

※注意!

本記事ではストーリーを紹介するため、若干ネタバレしております。

(あくまで映画公式サイトに記載されている範囲内です)

 

 

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(映画公式サイト)

 

 

映画公式サイトのストーリーはこちらだ。

 

mermaidfilms.co.jp

 

 

画像も言い回しもスタイリッシュだし、「ソルボンヌ」とか「ドウロ河」とか、雰囲気ある単語がいくつもでてくるが、そういった要素を除いて平坦に書き直すとこうである。

 

 

場所はP国。

20代半ばのJは幼いころP国に来た外国人で、友人もなく、職を転々としながら孤独に暮らす青年。

アラサー女性・Mは恋人とともにP国に来たばかりの外国人で、自由奔放な性格の肉食系美女。

 

ある晩カフェで出会った二人は、そのまま一夜をともにする。

魅力的なMにすっかりメロメロになったJだが、Mの方は遊び。

恋人との将来や今の生活を壊す気なんてさらさらなく、一度きりのつもりだった。

 

MをあきらめきれないJはストーカー化。

Jの執拗さが手に負えなくなったMは悩んだ末、警察へ。

留置所に入れられたJは絶望に打ちひしがれる。

 

 

これで「出所したJはナイフを持って」とでも続いたら、言葉は悪いが三面記事だ。

 

そう、この映画、あれだけこじゃれた雰囲気を醸し出しながら、物語の骨格は男女のダサいゴタゴタなのである。

 

 

 

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あらすじがダサいことに加え、登場人物もいわゆる「カッコいい美男美女」というわけではなさそうだ。 

 

ストーリーを読んでまず驚いたのは、Jのキャラクターである。

 

「あれ?これじゃあJはまるっきり社会不適合のダメ男じゃないか。美男美女のラブロマンスは?」

 

もしかしたら社会不適合といっても、スナフキン系のカッコいいタイプなんだろうか。

そう思って予告編をしっかり見直してみたが、

 

J・・・しょぼくれた野良犬みたいな顔をして・・・

 

 

(別バージョンの予告編。MとJの出会いのシーン)

 


ストーリーを読む限り、Jがいわゆる美男じゃなかった(俳優さんはハンサムだよ!)ことに加え、Mの方も当初のイメージを裏切るキャラクターである。

意外なことにMの方も結構ダサいのだ。

 

2人のゴタゴタはJの留置所行きでケリがつき、物語は数年後に移る。

 

カフェで2人が出会ったときのMは間違いなく「美しく自信にあふれ、人生を満喫しているカッコいい女性」だった。

しかし数年後のMは「私は幸せ」と自分で自分に言い聞かせ、人から「そうは見えない」と言われる女性になっている。

 

彼女がつい視線を向けてしまうのは、不仲の夫や子育てに追われる今でも将来でもなく、過去の一夜。

その夜にカフェでJに見せたハツラツとした笑顔も輝きも、今の彼女にはないのだ。

 

 

 

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本作は明らかにオシャレでクールなラブロマンスだ。

しかし描かれるのはラブロマンスのダサい側面のようである。

 

人と人が関わる上でのめんどくささ、生活の中での興ざめ・・・

 

「ラブがロマンスでいられるのなんて、ほんの一瞬。あとはダサいもんですよ」

とでも伝えたいのだろうか。

 

まだ観ていないので決めつけたことは言えないが、少なくとも「こんな映画、ダサい自分は楽しめない」と嫌煙するのはもったい作品だと思った。

公開されたらぜひ劇場で観てみたい。

 

 

mermaidfilms.co.jp 

 

 

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ちなみにJを演じるのは故 アントン・イェルチン

ロシア生まれアメリカ育ちの俳優で、2016年に27歳の若さで亡くなった。

今年日本公開された映画『グリーンルーム』でも主演を務めている。

 

www.transformer.co.jp

 

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