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オードリー関係なしにも面白いから観て!映画『暗くなるまで待って』

 

オードリー・ヘプバーンにどんなイメージをお持ちでしょうか?

 

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ちょっと検索すれば、女優としてだけじゃなく生き方そのものが美しすぎるでしょ~というエピソードがゾロゾロ。

意識高い系女子&マダムなら10人中9人が好きな女優ですよね。(たぶん)

 

反面、あまりの高評価に逆に苦手意識のある人もいるのでは?

ローマの休日』のイメージからも"オードリー=女子供の観る恋愛映画"みたいな…

 

そんな人にこそおススメしたいのが、オードリー主演のサスペンス映画『暗くなるまで待って』。

 

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えっ?「オードリーがヒロインのサスペンスなんて、どうせ少女漫画みたいなのでしょ」って?(少女漫画をディスってるわけじゃないですよ!)

 

オードリー主演のサスペンス映画だと他に『シャレード』という作品もあり、確かにこちらは女性向けのラブコメっぽい作品。

 

ところがどっこい『暗くなるまで待って』は、甘い要素ほぼなし!

性別も意識の高低も問わず、サスペンス好きなら絶対楽しめる作品なんです!

 

 

 

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映画『暗くなるまで待って』は舞台劇のヒット作を映像化した作品です。

 

知らないうちに犯罪に巻き込まれた盲目の女性・スージーが、身を守るべく犯人たちと対決するシチュエーション・サスペンス。

ストーリーの9割がスージーの自宅の1室で展開します。

 

本作がサスペンス映画としてどこがすごいかというと、まさに!王道を極めているところ

ネタバレに気をつけつつ例をあげるなら、ストーリーの構成がその1つです。

 

夫が出張中で家に1人でいるスージーを訪ねてきたのは、夫の旧友を名乗る見知らぬ男。

お互いにこやかに応対し、すっかり男を信用したスージー。

しかしその訪問を皮切りに、次から次へと得体のしれない人物が登場します。

殺人事件を捜査中の刑事、スージーの夫が息子の嫁と不倫していると疑う老人、当の息子。

やがて話は「スージーの夫が不倫相手の女を殺したのでは?」なんていう、とんでもない方向に転がりだし…

 

というのが、スージー側から見たストーリー。

 

でも本作は犯人側の視点からスタートします。

実は旧友も刑事も息子も、スージーが巻き込まれている犯罪の犯人たち。

つまり観客は犯人側の思惑を全部知っていて「スージー、そいつらは犯人よ!家に入れちゃダメ!」とハラハラ見守る構成なんですね。

 

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非力な女性であり、かつハンデも背負っているヒロイン。

演じるオードリーの華奢な体型も相まって、圧倒的なか弱さ。

実際、犯人たちもスージーを完全になめてかかっていて、うまいことだまそうとします。

 

ところがスージーは一筋縄にはいきません

視力を失ったことで研ぎ澄まされた聴力とカンの良さで、逆に犯人たちを右往左往させます。

 

例えば、犯人のうち2人がそれぞれ旧友と刑事のふりして、スージーの家にうっかり残してしまった指紋をふき取ろうとするシーン。

2人はスージーが目が見えないのをいいことに、セリフで小芝居を打ちながら家の中をフキフキしてまわります。

 

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ところが刑事役の犯人が出て行ったあと、残った旧友役の犯人(スージーは本当に夫の旧友だと思ってる)にスージーはこう尋ねます。

「ウチの中、汚れてる?あの人あちこち拭いていたわ」

 

これには犯人の男、ギクッですよ!

しかも「手すりと冷蔵庫のところと…」と場所まで言い当てるものだから、もう(この女あなどれねぇ)と冷や汗。

 

それまでスージー大丈夫かしらとハラハラしてた観客としては「Whew!いいぞスージー!」("ヒュー"の綴りあってる?)

 

圧倒的に弱い主人公vs強い悪党」の構成って、サスペンスでは王道の1つ。

その見所はもちろん、いかにして主人公が逆転するかですが、本作はその見せ方が抜群!

 

スージーが自覚なしに犯人をタジタジにさせるところは見もので、この王道の構成をフルに活かしてるなぁ~!という印象です。

 

 

 

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『暗くなるまで待って』は本当に、サスペンス王道の要素をギュッと詰めたような作品で、もちろん構成だけではありません。

 

例えば伏線

 

物語の初めの方に、スージーが夫に「私の顔を見てる?」と聞き、夫が「見てるよ」と答えると「べー!」と舌を出すシーンがあります。

これ、実はクライマックスのあるシーンへの伏線。単なる微笑ましいシーンと思って忘れていたら、「あっ!」という。

 

こんな感じの伏線がいくつか用意されているのですが、こういうの良いですよね~伏線はサスペンス映画のスパイス!

 

また意表の突き方のサスペンスらしさも最高!

 

クライマックスは特に意表の連続なので、できることならリストで全部書き出したいのですが、ぐっと我慢して1シーンだけ。

 

いよいよ犯人グループの存在に気づいたスージーは、迎撃しようと一計案じます。

家じゅうの電球を壊して真っ暗にする作戦です。

だからタイトルが『WAIT UNTIL DARK』だったんですね。

 

ところが・・・

思い浮かぶのは「おめでとう、アリ先生」の古畑のセリフ。

「…全部捨てたつもりだったのに、1つだけ残っていたんです…」

 

そう、明りのつくものはすべて壊したつもりだったのに、1つだけあれを忘れてた…

ここの、スージーが振り返って観た光景って、もう本当に絵になります。サスペンス映画史に残っていいくらい。

しかもこの「意表」にも伏線がちゃんとあったっていう。すごい~

 

絵になるでいえば、このさらに後にある1シーンも。

暗闇から犯人がダーイブ!からのナイフで匍匐前進、という言葉で説明しても絶対伝わらないシーンがあるのですが、台所に追い詰められたスージーを匍匐前進の犯人からの角度でとらえた構図は、絵になるというか、絵!

きっとどこかの映画館にスチール写真で飾られているでしょう。(たぶん)

 

 

 

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ここまで手放しでホメておいて今更ですが、『暗くなるまで待って』は本格ミステリとしてみるならツッコミどころもちらほらあります。

なんでここでこうしないの?みたいな。

 

でもそんなことどうでもいいじゃんというくらい、サスペンス映画としてすばらしい!

オードリー・ヘップバーンが仮にこれしか主演作のない無名女優だったとしても、この作品はやっぱり半世紀観られ続けたと思います。

(「ガソリンは気化するからマッチ擦った瞬間に火の海のはずですけど?笑」とかいう人は、いーよ!観なくて!!

 

オードリー・ヘップバーンは苦手という方も、もしサスペンス好きならぜひご覧になってみてください。

 

暗くなるまで待って

WAIT UNTIL DARK

監督 テレンス・ヤング

原作 フレデリック・ノット 

キャスト オードリー・ヘップバーン、アラン・アーキン、リチャード・クレンナ

製作 アメリカ、1967年 

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