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モテるのは顔がパティンソンだからじゃない!映画『グッド・タイム』

 

世の中にはやたら女性にモテる男がいる。

 

ルックスがいいとか性格がいいとか口が達者とか、いろんな要因があってのことだろうけど、一番の要因はやっぱり「女性をよく知っている」ことだ。

 

今回ご紹介したい映画『グッド・タイム』の主人公・コニーもその1人である。

 

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(映画公式ツイッターより)

 

 

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映画『グッド・タイム』はニューヨークの最下層に生きる青年・コニーが、警察に拘留されている弟を救い出すべく夜の街を疾走するクライム・ムービー。

じっくりコトコト作り込んでいるのにアクは一切とりのぞかないという、インディペンデント映画の魅力が全開の作品だ。

 

問題のコニーだが、どんな男か、一言でいうとチンピラである。

ぼさぼさ頭に無精ひげ、金も定職もなし。行動は粗暴で、悪知恵は働くが思慮は浅い。グダグダ感ただよう銀行強盗っぷりからしても、頭の切れるワルではない。

 

にも関わらず、コニーはモテる。老いも若きも女性はみんな、コニーにいちころだ。

 

まずストーリーの序盤で登場するメンヘラ風の年上美女。コニーとは彼女がお小遣いをあげる恋愛関係だが、主導権を握っているのはコニーだ。

また中盤でコニーと出会っていい感じになる美少女。当初はコニーが彼女に気を使っていたのに、気づいたらコニーの指図で少女がいそいそ行動するようになっている。

 

なぜコニーはモテるのか?演じているのが『トワイライト』で全世界のティーン女子をメロメロにした男、ロバート・パティンソンだから…と言ってしまえばそれまでだが、コニーはけしてパティンソンのルックスにあぐらをかいてはいない。

だからこそ、コニーがモテるのは恋愛関係に限らない。

 

例えばコニーが身を隠すために忍び込んだ病院の一室。中に1人でいた高齢の女性はコニーを見て、もちろん恐怖に固まる。ところが彼女はすぐにコニーを信用する。

コニーがとった行動はただ1つ、そっと彼女に近寄り、優しくジュースを飲ませてあげること。これだけで彼女はコニーを(悪い人じゃない)と思ってしまったのだ。

 

また、中盤で出会うしっかり者の中年女性。彼女は若い娘もいる家に、見知らぬ男のコニーをなんと一晩泊めてあげる。

コニーが怪我人の弟を連れていたからとはいえ、いかにも警戒心の強そうな彼女の心を動かしたのは何なのか?それはコニーの好青年らしい爽やかな低姿勢と、そこにちらつく貧困の哀愁だ。もちろん、コニーは狙ってそう振舞っている。

 

さらには犬…笑ってはいけない。そう、コニーは犬の女の子をも虜にする。

不法侵入した部屋で飼われていたワンコは、見知らぬコニーに最初こそギャン吠えするが、自分を猫かわいがりするコニーにものの数時間で懐く。

だけではない、その部屋でコニーがピンチに陥るや、牙をむいて助けようとまでする。

(犬の性別は作中で明らかじゃないが、もしこのワンコがオスだったら監督・サフディ兄弟のミスである) 

 

 

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これらの事実からわかることはただ1つ、コニーは女性をよく知っている、ということだ。

 

メンヘラ風の女性や10代の少女が相手ならアメとムチ、愛の言葉を囁きつつも下手に出ない。ただただ自分に怯えている女性には、言葉より行動で優しさを伝える。しっかり者の女性にはがっつり好青年を演じ、要求したいことは相手の口から「申し出」られるまで待つ。犬はヨシヨシと可愛がる。

 

テキを知っているからこそ時と場合に応じた「正解の言動」が瞬時にわかるのだ。そして好意を勝ち取り、狙い通りに女性を動かしていく。

 

つまりコニーの「モテる」とは、女性を騙すタイプのモテだ。彼が劣悪な環境に生まれ育ったことを考えると、生きるために身につけた技術なのだろう。

 

とはいえ、女性の方が「騙されてもシアワセ」なら別にいいが、コニーは出会う人のほとんどを災難に巻き込む。ギザギザハートみたいに触れるものみな傷つける。女性はたまったもんじゃない。

もちろんトラブルの後始末なんてつけない。1人、さっさと逃げる。

 

好意につけ込んで利用してポイなんてひどい!最低男!

…が、トラブルになって初めてコニーに騙されていたことに気づいた女性がそれでも黙ってコニーをかばったりするので、もう何が何やら、男女のことはわからない。

 

 

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映画『グッド・タイム』は現在公開中なので、コニーのモテっぷりも最低男かどうかも、劇場で確認してほしい。

 

ちなみにいち観客として私には、ただの最低男のクソ野郎には見えなかった。やっぱり弟の存在があるからだ。

 

知的障害を持つ弟とコニーのつながりは非常に強く、コニーは弟を守ることを自分の使命と信じている。弟を足手まといだなんて微塵も思わないのだ。

 

女性は見捨ててもファミリーは絶対に見捨てない。

「あんたマフィアかよ」とも思うが、コニーの薄っぺらな言動に不思議な深みを感じるのは、核心にあるのがこの純粋な愛情だからだろう。

 

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