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なぜ性犯罪は暴かれなければならないのか?その答えとなる実話の物語

 

2年前、あるジャーナリスト映画がアカデミー賞作品賞・脚本賞をW受賞しました。

タイトルは『スポットライト 世紀のスクープ』。ボストン地方紙のわずか数名の記者がカトリック教会による大規模な犯罪隠蔽システムを明るみにしたという、衝撃的な事件を映画化した作品です。

長年に渡り組織ぐるみで隠されてきた犯罪、それは神父による児童への性犯罪でした。

 

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(映画公式サイトより)

 

あらすじ

地方紙『ボストン・グローブ』に教会関連のコラムが掲載された。ある神父が30年間で80人もの児童に性的虐待をし、さらに教会のトップがそれを黙殺し続けていた疑いがあるという。驚くべき疑惑のはずなのに、街の権力者である教会に遠慮し、ごく小さくしか報じなかったのだ。

しかし転属したばかりのよそ者編集局長・バロンがこれに目をとめ「もっと掘り下げるべき」と主張。しぶしぶ取材を始めた記者たちだったが、やがて衝撃的な事実を知ることに。加害者の神父はボストンだけで90人近くも存在し、教会は組織ぐるみで事件の隠蔽工作に動いていたのだった。

記者たちは神父個人だけではなく教会の隠蔽システムそのものを明るみに出すことを決意する。

 

みどころ

なぜこんな大規模な犯罪が長い間表沙汰にならなかったのでしょうか?

取材を続けていた記者の1人がこんなことを言っています。「まるでみんなが記事の内容を知っているみたい。まだ書いてもいないのに」そう、表沙汰にならなかったのではなく、誰もが気づいていながら口をつぐんでいたのです。

“一部のおかしな神父のために教会の顔に泥を塗り、街の調和を乱すべきじゃない”、みんながそう考えたために被害はここまで拡大してしまったのでした。『ボストン・グローブ』さえ例外ではなく、加害者の神父に関するタレコミが数年前にあったのに無視していました。

一連の物語からは日常の中で権力者を告発することの難しさ、そして性犯罪を隠蔽することの怖さが、強い説得力を持って伝わってきます。

 

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(映画公式サイトより)

 

まとめ

本作の価値は話題になった事件の単なる再現ドラマにとどまりません。記者たちの足跡を丁寧に、そして淡々と描くことで、この事件の全体像を浮き彫りにしています。被害者が心に受ける傷の深さ、加害者の罪悪感のなさ…

作中でしばしば街の人々は記者たちに「なぜ暴きたてようとするんだ、街を愛していないのか」と非難の目を向けます。なぜ性犯罪は暴かれなければならないのか?本作はその答えとなる物語です。

 

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