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アラサーはいつまで?中年はいつから?映画『ミレニアム』から考える

 

30過ぎて変わったことがいくつかある。「アラサー」という表現を自分に使わなくなったのはその一つだ。

 

27、8の時には何のためらいもなく使っていた。むしろそこに謙遜に似た気持ちがあった。(まだ20代だけど、アラサーを自認してる私)というか…

だが30代に突入すると事情が一変する。(もう30代なのに、アラサーと濁した表現を使う私)という、恥ずかしいような負い目を感じてしまうのだ。

 

体型に例えるとわかりやすいかもしれない。(ちょっと太ったかな)の程度なら「最近ぽっちゃりしてきちゃって」と“自虐”できても、体重計に(ハァ?あんた何言ってんの?)と聞き返してしまうくらいの重量になってしまったら、自分を「ぽっちゃり」なんて言えない。自虐ではなく言い訳にしか思えないからだ。

 

早い話、自分を「アラサー」と言おうとすると、即座に「アラサーって何だよ!?潔く三十過ぎですって言えよ!!」とツッコミが入るのだ。脳内で。

 

それにしても年代の線引きとは難しいものである。これだけエイジングに従順な生活をしておきながら「いつまでもお姉さんと呼ばれたい」なんてまさか考えていないけれど、情けない話、自分の立ち位置はどうもピンとこない。若くはないけど中年ではないんだろうか、もう立派に中年なのか、いつから初老になるのか…

 

そんなことを考えている時、とても興味深い映画を観た。スウェーデン映画『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』(2009年)だ。

 

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(Amazon)

 

『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』はスウェーデンの世界的ベストセラー小説の映画版。こちらも世界的にヒットし、ハリウッドでリメイク版も制作された。

 

物語の発端となるのは40年前に起きたある少女の失踪事件。離れ小島の大富豪一族、謎の連続猟奇殺人、罠にはめられた敏腕記者に孤独な天才ハッカーといったインパクトの強いピースで少しずつパズルを完成させていく、とても重厚なサスペンスである。

 

本作はスウェーデン人女優、ノオミ・ラパスの出世作としても有名だ。ノオミが演じた天才ハッカー・リスベットは、瘦せぎすの体と繊細な心をパンク風のファッションで包み、無口かつ攻撃的な態度で人を寄せ付けない。そんな気難しいヒロインをノオミは魅力的に熱演、高い評価を得た。

この成功で一躍スターとなったノオミは、昨年には『ブライト』(2017年)でウィル・スミスと共演、『セブン・シスターズ』(2016年)で1人で7役を演じ話題となり、今年4月には最新作『アンロック 陰謀のコード』(2017年)が日本公開と、活躍の場を広げている。

 

しかしこの記事で私がピックアップしたいのはリスベットではなく、彼女がタッグを組んで謎解きに挑む相棒・ミカエルだ。

 

ミカエルはベテランの社会派記者。飄々としているのに頼りがいがあり、メンタルがどっしり安定しているのに情が深い。イケメン!という感じではないが、老若男女問わず好感を持たれるタイプである。演じているのはスウェーデン人俳優、ミカエル・ニクビスト。

 

「ミカエル、ナイスガイだわ〜」とファンになった私、本作を観終わるとすぐさま他の出演作を探し始めた。すると、意外な作品名が現れた。3回は観たであろうお気に入り映画『ジョン・ウィック』である。

ミカエルいたっけ?と記憶をたどってみるが、思い当たる登場人物はいない。端役だったのかな?なんて考えつつ読み進めて、私は驚愕した。

 

ミカエル・ニクビスト:ヴィゴ・タラソフ

 

「…………」
(ほんとにこんな感じになった)

 

未見の方のために説明すると、ヴィゴとはロシアンマフィアのドンで、ヨセフの親父。ヨセフとは、妻を亡くしたばかりの伝説の殺し屋ジョン(キアヌ・リーブス)の家に押し入り、車を奪い犬を殺した伝説のドラ息子だ。

 

あのドラ息子の親父役…!?

 

でも…でも、あの人完全に初老だったじゃん、白髪で…貫禄たっぷりで…

ミカエルはどっからどう見ても中年だったじゃん!

 

調べてみるとミカエル・ニクビストは1960年生まれ。『ミレニアム…』は2009年製作なので当時49歳前後、『ジョン・ウィック』は2014年製作で当時54歳前後となる。茶目っ気も髪色もある中年と、ブランデー(ウォッカ?)の似合う白髪の初老、その歳の差わずか5歳。

これは「50が中年と初老の境目」なんて単純な話ではない。ミカエルは前者の作品では実年齢より少し若く、後者の作品では少し老けて見えるため、見た目年齢には10歳くらい差がある。つまり境目を作っているのは役作りによる見た目の変化なのだ。

 

「おばさんに見えるようになったらおばさん」という言葉もあるが、中年にしろ初老にしろアラサーにしろ、線引きの最後の基準はやっぱり見た目なのかもしれない。

年齢の数値が明確に中年じゃないとかアラウンドじゃないとかの場合は別だが、いわば“過渡期”の数値の場合は、見た目、つまり他人の判断によって立ち位置は決まるのではないだろうか。

 

ちなみに私は20代半ばの時は「何歳からもう若くないになるんだろう、まだ若いに入ってるのだろうか?」と“若者”の線引きに悩んだ。三十過ぎて“若者じゃない”が明確になると、今度は「中年はいつから?」である。

つまりこの手の悩みはおばあちゃんになるまでついて回るのだ。悩まなくてもいい気もするけど、周囲から完全に中年にカテゴライズされているにも関わらず「中年になるの怖いよねー☆」とか言って(痛w)なんて怖い事態は誰だって避けたいはず。

 

そう考えると、お互いの年齢立ち位置を誠実かつ正直に教え合える人というのは大切な存在だし、まだそういう人がいなかったら早急に見つけたほうがいいと思う。

 

私は…明日からがんばって探そう。

 

 

 

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