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『名もなき野良犬の輪舞』は女子のための絶品キュン死映画だよ!

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(まじか・・・!?)

 

平日にしては座席の埋まった館内を見渡して、私は思わず呟きそうになりました。

背もたれからピョコピョコ覗く頭頂部のどれもが、明らかにおじさんのそれだったからです。

 

いえ、男性が楽しめない作品だなんて言いません。なんせジャンルはバイオレンスアクションだし、登場人物の95%はおじさん。むしろ男性向けの映画とすら紹介できる作品かもしれない。

 

それでも・・・それでもわたしは主張したい。

本作『名もなき野良犬の輪舞』は、女子にこそおすすめしたい、絶品キュン死映画だと!!

 

 

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『名もなき野良犬の輪舞』は刑務所内で出会った2人の男の、絆と破滅を描く韓国ノワール映画。物語は刑務所内のシーンと出所後のシーン、2つの時間軸が交差しながら進んでいきます。

 

真っ赤なスポーツカーが差し色に使われていたりと、美術や演出はスタイリッシュ。が、銃を中心とした迫力満点のバイオレンス描写や、女刑事1人を除きほぼ女性皆無という顔ぶれから、一見非常に男くさい映画です。

 

しかし、バイオレンスもおじさんの顔面力も、しょせん舞台装置にすぎません!

本作の真骨頂は、セクシーな中年悪党・ジェホ(ソル・ギョング)と無鉄砲な天然小悪魔・ヒョンス(イム・シワン)のラブ・アフェアです!

 

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 ↑こちらがジェホ

密輸を手がける犯罪組織の幹部で、服役中は刑務所内のトップに君臨。

コワモテで威厳たっぷりなのに茶目っ気があり、男なら思わず「アニキ!」とついていきたくなりそうな悪党です。

 

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 ↑こちらがヒョンス

ケンカっ早く、勝つためならズルもするところがジェホの目に止まります。

色白の中性的な美青年で、本作の実質ヒロイン。だってジェホにとってファム・ファタールだもん!わたしが子分でもジェホに「目を覚ましてくれよアニキ!!」と泣きつきますよそりゃあ・・・

 

本作のしょっぱなに映されるのは、出所するヒョンスを一足先にシャバに出ていたジェホが赤いスポーツカー(出た!)でお迎えするワンシーン。そして過去にあたる、2人が刑務所内で絆を深める様子が、現在のラブラブシーンを交えつつ描かれていきます。

 

先に相手に興味を持ったのはジェホ。危険を顧みず誰にでも立ち向かうヒョンスに、刑務所内の大統領として忠告をしつつ「お前はアザまでキレイだけどな」と軽くアプローチ。

ところがその直後、刑務所内に新興勢力が台頭し、ジェホはトップの座から追われるはめに。シュンと小さくなって自室に引きこもるジェホを見て、ヒョンスは彼のために一計案じ、見事形勢をひっくり返してみせます。

 

「“ボウヤ、頭を使わなきゃダメよ”みたいな態度だったのに、ヒョンスの方が頭切れるじゃん。ププッ、ジェホってカッコ悪〜」と油断しきった我ら観客(おそらくヒョンスも)。

そんな我々の半笑いに見守られる中、ジェホが始めたことは、トップから引きずり下ろした敵ボスへの酸鼻きわまる拷問。しかも超楽しそうに高笑いしながら。

(あっ・・・このおじさん、ガチでヤバいやつだ)と、観客もヒョンスもここで初めて思い知ります。

 

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はじける笑顔。ちなみに拷問中(予告編より)

 

とはいえ、この一件で仲良しになったジェホとヒョンス。「友達以上恋人未満」の距離感で、一緒に囲碁をやったり連れションしたり、キャッキャと蜜月を過ごします。

 

そこで、思いがけない急展開が!!!ヒョンスの病弱な母親が急死したとの知らせが飛び込んできたのです。

母親思いのヒョンスは狂ったように泣きわめき、せめて一目会わせてくれと望みます。しかし刑務所にいるため葬儀にも出られない。

絶望したヒョンスは自分を慰めようとするジェホの言葉にも耳を貸さず、逆にぶちキレてジェホに殴りかかってしまいます。

 

初めて自分に牙を剥いたヒョンスに、容赦なく反撃するジェホ。

 

一心不乱に殴り合う2人。

 

ジェホの熱いこぶしがヒョンスのつややかな頬をとらえ、その赤い唇からあふれるベルベットのような血が薄暗い部屋の汚れた床を濡らし・・・

 

これは・・・ロッキー3と同じなのでは?メタファー・ベッドシーンだわよこれは!!

 

そしてついにヒョンスはジェホに言います。

 

「アニキ、もうあんたをダマしたくない

 

俺は

おれは・・・



・・・刑事なんだ」

 

来た―――――――!!!(予告編で知ってたからね)


予告編でネタバレしてるじゃんって?いやこっからなんですよ、本当のラブアフェアは!

 

だってこれは刑務所のシーンで、出所後も蜜月が続いてるんですもん。

つまりヒョンスは刑事で潜入捜査のためにジェホに近づいたんですが、ジェホと恋に落ちた(心酔したとも言う)ので寝返ったんですね。

 

しかしこの告白を境に、2人の関係は少しずつ歪み始めます

 

組織に迎え入れてからも、ジェホのヒョンスへの愛は深まる一方。

ヒョンスが部下を連れて敵との交渉に赴いたら、建物の外でヤキモキヤキモキ待機して、仲間に「あのガキが心配なんだろ?」って秒でばれて苦笑いして、「あーもう、行くぞ!!」って我慢できずに自分も乗り込んじゃう。

 

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愛するヒョンスの元へ駆けつけるジェホ(映画公式サイトより)

 

それでいて、ヒョンスのことを信じられないんですね。ずっと裏切り裏切られる世界に生きてきたから。

ふとした瞬間に猜疑心が愛を憎悪に変えて、ジェホを揺さぶり、2人の絆に亀裂が走ります。

 

信じたいのに信じられない。そんなジェホにヒョンスはこう誓います。

「あんたが俺を信じなくても、俺はあんたを信じる」

 

こ、こんなこと言われたら、さすがのジェホも氷の心がとろけちゃう・・・

 

と、ここで、ヒョンスにとっても我ら観客にとっても、まったく予想だにしない「ある真実」がスクリーンに。えええこれはっ・・・!あ~・・・

 

でもね・・・やっぱりわかってましたよ。2人を見ていれば。

彼らには「円満なままトモシラガ」なんて未来はないって。この愛は刹那的なものなんだって。

 

わかっていたけど、でも、そう、壊れるのはわかっているんだけど、一体いつ、どう壊れるのかは最後の一瞬まで予想がつきません。

ジェホが彼を殺すのか、ヒョンスが彼を裏切るのか、それとももしや2人とも・・・?

 

あああ読めない!なんて間にも彼らの愛憎はどんどんヤバい方向に!あああどうなってしまうの、2人の愛の結末は!?

 

 

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なんて具合に、女子(+我らおばさんも)なら座席で身もだえすること間違いなしな傑作キュン死映画『名もなき野良犬の輪舞』。

 

「バイオレンス映画はちょっと」なんて言わないで!上映始まったらジェホとヒョンスしか目に入らなくなるから。血しぶきとか突然の銃声とか断末魔の絶叫とかに気を配る余裕なんてないから!

 

映画館でキュン死したい女子の皆さん、ぜひとも今すぐ劇場へ!!!

 

 

映画公式サイトはこちら→ 

 

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